実話怪談~死者への揶揄~
以下の出来事はある怪談本に収録されていた話。
警察官のMさんが担当した事件で最も印象に残っているのは、あるひき逃げ事件。
そして、その事件は部下のAさんが退職するきっかけにもなった。
被害者は若い女性。夜間の見通しの悪い道で引かれ、その後も後続車に続けざまに引かれたのだ。
遺体は著しく損傷しており、特に首から上が酷かった。
何度も潰されたため、せんべいのようになって路面に貼りついていたという。
Mさんが肉片を拾い集めている間、Aさんは「不思議だなぁ~。目玉が綺麗に残ってますよ」
などと言って、薄く笑っていた。
Aさんが頭部を路面から引き剥がしたときの、べたついた音は今でも思い出せるという。
その事件以降、Aさんは勤務中に虚ろな目で外を見たり、俯いて考えこんでいることが多くなった。
そのような状態が二週間ほど続いた頃、Aさんが無断欠勤をした。
心配になったMさんはAさんのアパートへと向かった。
カーテンは閉められ、チャイムを押しても出てこない。
携帯へ電話をするとバイブ音が室内から聴こえてくる。
それから幾度もノックをするとMさんがようやく出てきた。
部屋の中は真っ暗。Mさんは怯えた様子で目を泳がせながら奇妙なことを言った。
「せんべいが来る。窓に貼りついてこっちを睨む」
早口でその文言を繰り返すとドアを閉めた。
それから出てくることはなかった。
諦めたMさんが車に乗る直前、もう一度Aさんの部屋を見た。
ドアの前に人が立っている。
それは異様に頭の大きな人だったという。
以上の実話のように、死者を嘲笑いバカにすると怒りを買って人生を棒に振ってしまうこともあるのだ。
憑りつかれ、事故や病に侵されたり、最悪の場合は命を落とす可能性も大いにある。
⇒さらに厄介なのは当事者に危害は加えず、当事者の身近にいる大切な人たちに攻撃をすることだ。
霊は元々人間なのだから、どのタイミングで…どういった方法で…どの人物に…仕返しをすれば傷ついて落ち込むのかをよく理解している。
復讐のときを今か今かと狙いを定め待っているのです。
●死者に出会ったときは合掌すると伴に、心から”ご冥福をお祈り”しましょう。
決して遺体に触れたり、蔑むような行為をしてはなりません。
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