宗教映画
ユウの父親(渡部篤郎)が神父であり、教会での集会、クリスチャンになるための洗礼儀式(灌水)、告解室、信仰表明である十字切りなどなど、キリスト教(カトリック)のことが色々と学べるので面白い。
また、劇中に登場するゼロ教会は、実際に存在する複数のカルト宗教をモデルにしたものらしいので「このシーンはあそこの団体か?」と、思慮しながら視聴するのも醍醐味。
2つ目は【I’M FLASH!】
命を狙われた新興宗教教祖のルイ(藤原竜也)を護衛するボディーガード3人(松田龍平・永山絢斗・仲野茂)。
ある日ルイは母に教団を辞めることを告げる。
すると、母親ら教団側はルイを殺害するようボディーガードへ依頼。
守られる側から一転して命を奪われる側へ。といったストーリー。
これだけ聞くと命を狙われる宗教家の奮闘を描いた映画だと思うかもしれないが、この作品の根底にあるのは「生と死」。これこそがテーマ。見る側も「生きるとは? 死ぬとは?」という難題を考えさせられる名作。
この作品で注目すべきは役者のセリフ。
スピリチュアリズムの教えと合致するセリフもあれば、そうではないセリフもありますが、一つ一つが意味深長で哲学的・宗教的要素を含んだ言葉で感慨深い気持ちにさせられる。
たとえばルイが「死は究極の救いだ」と言うが、これは霊的真理であり、スピリチュアリズムでも死は忌み嫌い悲しむことではないと説く。
死は肉体と地上界から解放され、幽界という極楽浄土へ移動して全ての物質欲が成就する。
これは誰が何と言おうが、救い。
また、ルイが「宗教ってやつは儲かる」と車内でにこやかに発しますが、これも真理となる。
宗教は施し物として信者から多額の金銭を頂くわけですし、会社ではないので税金が発生しない。
ですから、宗教は儲かる。本気でお金を稼ごうと思ったら、飲食店などの会社を設立するよりも宗教を立ち上げたほうが成金になれる率は高い。
故にこの台詞も絶対的真理。
さらに、「生きている者が都合良く死者の人生を解釈する」。これも真理であり深い言葉。
故人が現世にいないのをいい事に、残された人間が死者の生涯を自分たちの都合良く彩って美談とする。
多くの人間が死者の声を度外視して過去をキレイにさせてから受け取る。
御都合主義者の多い現代では致し方ありませんが…。
この作品はストーリーや演者の行動・思想よりも、役者のセリフこそ魅力であり、熱視線を捧げる対象。そこには得るものが必ずあるのだから。
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